2025/11/25 00:26
エジプト香油の素晴らしい香りを皆様にお届けしてきた弊社が、新たな分野に進出しました。
それは「音」です。
古代エジプトの時から使用されていた神聖な楽器が、ほぼ形を変えずに現在まで残り続けているものがあり、その音やその楽器を使う行為そのものによって、より高い局面へ人間の精神を誘ってくれる素晴らしい楽器を仕入れることが出来ました。
仕入れ担当のシャバーンさんに無理を言ってお願いしてもらい、とても重量感のあるずっしりしたシストラムという楽器を7つ仕入れることが出来ました。
こちらの商品もネットショップのほうでご購入頂けるようになりました。
多くの方に既にご興味を持って頂けているものになりますので、速やかに完売してしまう可能性もありますが、シストラムとはどういう楽器でどのような背景をもったものかを解説していきます。
完売後もお問い合わせが多数寄せられるようでしたら、再度更に多くのシストラムを仕入れることが出来ますので、香油の香りと共に音の世界からも古代エジプトに興味を持って頂ければと思います。

シストラムは、ギリシャ語の σείειν seiein 「振る」の派生語で、文字通り「振られるもの」 を意味するセイストロン(σεῖστρον, seistron)に由来してます。
打楽器に属する楽器で、ラットルの一種で、とりわけ古代エジプト人が用いていたことで知られる楽器です。
持ち手と真鍮あるいは青銅製の幅30センチから76センチ(12インチから30インチ)の幅のU字型の金属の枠で出来ていて、枠は金属のリングを通したスライド式の金属の横木を支えています。
シストラムを振ると、動く横木に取り付けられた薄い金属製のリングや輪が、小さなカチャカチャした音や大きな金属音まで様々な音を出し、振り慣れてくると自分の意図通りの様々なバリエーションの多様な音が操れるようになってきます。
古代エジプトでは、さまざまな音楽や喜びに満ちた神々の宗教的、また儀式的な慣習と重要な関係があり、現代でもその神秘的なパワーを得ようとこの楽器を振ることを習慣化しているところもあります。
古代エジプトのシストラム
古代エジプトにおいて、シストラムは神聖な楽器で、バト (女神)信仰に起源を持ち、舞踏や宗教儀式とりわけハトホル崇拝で用いられました。
特徴的なU字を描くシストラムの持ち手と枠は雌牛の女神の顔と角を象徴したと考えられています。
ハトホル信仰に用いられた違う型のシストラムはナオス型で、持ち手には精巧な装飾が施されハトホルの頭部を頂いており、現在でもこのハトホルの頭部の装飾が殆どのシストラムに施されています。
シストラムは王がハトホルに何がしかを献上する祭で使う以外では、専ら女性や奏楽を行う巫女が用いました。
リズムに合わせて打楽器が発する音は神へ呼びかけるために大変重要で、反復的な音は儀式の癒しを助け、現実を変えると考えられていました。
その為、現在でも現実をよりよくする力を持つ楽器として重宝されています。
また、シストラムはナイル川の氾濫を防ぎ、セトを追い払うためにも振るわれていたため、現在でも魔除け、厄除けのような効果を発揮すると言われています。
母と創造者の役割を演じるイシスは、片手にナイルの氾濫を象徴する桶を持ち、もう一方の手にはシストラムを持っていますし、女神バステトもまた、しばしばシストラムを持つ姿で描かれ、これは彼女が踊りと喜び、そして祝祭を司る女神としての彼女を象徴しています。
現代でもエチオピア正教会では必ず用いられる楽器で、短く、鋭く、リズミカルな拍子で振られることで、躍動感や活動性を喚起する効果があるとされています。
タンバリンに似たシストラムの律動的な振動は、古代エジプトのハトホル礼拝における神聖な聞で鳴らされる音で、宗教的あるいは恍惚を伴う事象と関連づけられています。
エジプト香油の香りを身にまとい、部屋に漂わせながら、このシストラムで音の世界までをエジプトに染めてしまったとき、恍惚感を伴う人生を変えるパワーが宿るかもしれません。
そんな可能性を秘めた素晴らしい楽器。
是非、音の世界からも古代エジプトのパワーをご自分に宿らせていただきたいです。
